イオン交換膜製塩法による塩
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1971年の第四次塩業整備に流下式塩田からイオン交換膜製塩法に全面的に変換され、
7社、7工場による生産体制が採られた。
2011年11月現在では4社5工場となっている。
イオン交換膜電気透析法で得られたかん水では、
二価イオンであるカルシウム、マグネシウム、硫酸イオンが少くない。
したがって、かん水を濃縮して製塩工程を終了させるのは塩化カリウムが析出する前となる。
また、硫酸イオンが少ないことから硫酸イオンは総てカルシウムと結合して
硫酸カルシウムとなり、カルシウムが余剰イオンとして残り、
塩化物イオンと結合して塩化カルシウムとなる。
以上のことから、イオン交換膜製塩法製塩法による塩の成分は
海水塩田濃縮法による塩と比べて、カルシウム、マグネシウムが1/3程度に減り、
カリウムが2.5倍程度に多くなっている。夾雑不純物としての化合物は
硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウムなどがある。
イオン交換膜製塩法では海水を濃縮するために
大きな電力(1トンの塩を製造するために必要な電力を電力原単位と称し、
150?200 kwhとなる)を必要とするので、工場では自家発電装置を設備しており、
ボイラーからの高圧蒸気が大気圧近くまで下がる圧力差で発電し、
その後の蒸気は真空式蒸発缶に供給してイオン交換膜かん水を煮詰めて
製塩するために使われる。
電気と蒸気を上手に使うコジェネレーションにより非常に燃料の熱利用が高くなっている。
つまり経済的な製塩法である。塩専売制度の中で塩を安くつくる技術開発で究極の姿である。
イオン交換膜製塩法による塩は人体に安全でやさしい塩である。
その理由はイオン交換膜でろ過されて海水中の油や有害な有機性の汚染物質が
入ってこないからである。
しかし、この製塩法による塩については誤解されて報道されている。
この塩を化学的に合成した塩と誤解されていることがあるが、前述したように膜で塩の
成分をろ過して製造しているので
化学塩(例えば、塩酸とカ性ソーダを反応させて作った塩)には当たらない。
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